- 感想
『時間封鎖』というあからさまな欠点と類稀にみる長所を兼ね備えた曰く言い難い傑作を生みだしたコンビの次の作品。なので期待しない訳にはいきませんでした。
さて、『連続>>>レイプ』、『時間封鎖』と毎回毎回特殊能力による凌辱が展開されました。今回もその道から外れず、特殊能力は体を意のままに操る対人念動力とその能力に付属する精神伝達となっています。
主人公は過去に事故で両親を亡くし、本人も事故により重症を負い長期入院していました。それで一人暮らしをしていてバイトや何だかんで疲れているという設定。性格はごくノーマルで、前作のように格好良く突飛だったり、前々作のように隠される普通さではありません。普通に普通です。
とあるきっかけで特殊能力を得るのですが(まあそのきっかけも馬鹿馬鹿しいいちゃもんなんですがー)、出来るから凌辱しちゃえいというように進んでいきます。そこらへんの動機付けは劣化してます。
エロに関して。肝心の凌辱ネタは特殊なフェチが360°と45°回ったような具合とでも言うか、肉体操作/催眠でノーマルなネタに加えて、日常動作を元に辱めるて精神を凌辱するぞくぞく来るものがそこかしこに見られました。まあ残念ながら質が高いのは一部で、ほとんどが安直であるのは否定しがたいでしょう。
個別ルートは2ルート。トゥルーエンドは今までのように無駄に格好付けたり、痛い青春になったりするのですが、はっとするものはありませんでした。
それら2ルートのトゥルーエンドを見ると、能力の原因の種明かしとなるルートに入ることが出来るようになります。ただ、それを許せばいやはや何でもありというか、興ざめのご都合というか、要はがっかり愕然でした。
しかし。
しかし、です。
そのルートの最後に披露される、主人公と能力の関係に意識も心も何もかも吹っ飛ばされ―――――大爆笑しました。
あんな事、普通考えないし、考えたとしても実現させようとはしないでしょうし、実現したとしても十中八九間の抜けた物になる鬼っ子でしょう。にも関わらず行った。その心意気に痺れました。なるみおかず氏流石です。最後の最後で惚れ直させていただきました。
文章は矢張り淡泊。雰囲気作りの文章は悪くはないのですが、物足りなさはMAXです。
絵は時折バースが崩れたり、質のバラつきがありますが、ぼちぼちでしょう。
システムはシーンスキップがないなど劣化してますが、我慢出来ないほどではありませんでした。むしろ能力上昇値が2択のくせにランダムめいた上昇をきたすゲームシステムが分かりませんでした。能力の手探り感以外の意図が読めずストレスがたまりました。
以上。前作並みを求めると肩透かしですが、変なADVとしてはぎりぎりクオリティが保たれていました。どんな才能にも波があるということで、まだまだ次回に望みをかけます。平均がこの程度ならやや残念ですが。
以下妄想。
警察に知り合いがある友人は時間封鎖の主人公、入院先の病院は連続>>>レイプの舞台にあります。ちょっとしたサービスなのでしょう。
が、彼ら主人公たちと、特殊能力と、原因とが収束する可能性を示唆しています。いやあ、もしもそんなことがあればどんなナニカが飛び出すのか楽しみです。
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