シリーズ物の途中から一気に購入して読んで嵌った漫画の最新刊が予想以上に素晴らしかったことは、漫画読みとして最上に幸せな体験の一つです。
古見さんは、コミュ症です。 1-8 雑感 - ここにいないのは
そんな訳でラブコメとしてぞっこん惚れこんだ古見さんシリーズの最新刊たる9巻ですが――
いや、ちょう最高。
何がと言えば、全てが。
ストーリーとしては修学旅行のハレの日で仲良くなったけど学校生活に戻って気恥ずかしくなった後始末とか、バレンタインデーとか、ホワイトデーとか。
学園生活の日常がちょっとイカれたキャラらの面白おかしいお話としてレベル高いのは相変わらず。
しかし大事なのはラブコメですよ、ラブコメ。
この作品にはラブコメに関して全般の信頼おいていましたが、本巻でも盛大にやってくれます。
もう狂おしく好き。
詰め将棋でちょっと仲たがいしたり。
(P136)
重ねて言いますが、"詰め将棋"で仲違いですよ。しかも初めての仲違い。なにそれ大好き。
そしてバレンタインデーやホワイトデーを機にしたプレゼントのやりとり。
嗜好も性質も大きく異なるけれどもただ同じ年代の若者が集められた学園生活ならでは、純な好意を露わにするのが嬉し恥ずかしなあれですよ。
当然、古見さんは普通よりも更に更に恥ずかしがるのだけれども。
(P68-69)
でも、これまで只野くんと重ねてきた時間は諦めてきたこれまでを繰り返すのを許さず、そして重ねてきたからこそより気恥ずかしく、そして気恥ずかしさを超えて贈り物を渡せた喜びと、喜んだ先の膨大な気恥ずかしさ。
端的に言って最高の一言。
しかし更に素晴らしい光景が、最後に収録された話で披露されます。
ホワイトデー――只野くんから古見さんへの返答。
あの最後の最後の絵と、胸中のことば。
初めて読んで、目にした時の心の震えはちょっと形容詞しがたいものがありました。あの時、あまりにも尊いものに触れたのだ、と。
以上。素晴らしかったです。今後も大いに期待しています。
- Link