MECHANIZED SAMURAIZM 感想

 冷戦構造が解消されず第3次世界大戦間近と噂される架空の地球を舞台に、日本人傭兵部隊の部員を操ってロボットに乗り世界中で戦闘するという格闘STG
 

  • ゲームパートについて

 “格闘STG”とジャンル名に格闘が付くように、自機の行動は『撃つ、斬る、掴む、投げる』となっています。
 『撃つ』は4種類の武器から選べ、それぞれ溜め撃ちが出来ます。その種類は威力のやや大きい直線弾だったり、威力の低い追尾弾だったり、近距離では威力が上がる散弾だったりと定番です。射線はボス戦では敵の方向を向きますので合わせやすくなっています。
 『斬る』はその名の通りで、敵を攻撃でき、また返せる弾は打ち返せ、消せる弾は消せます。レーザー系だけは斬れません。右側から左側へと振るので左側からの攻撃や敵にはほんの少し反応が遅れるので、その癖を掴むのが求められます。具体的には斬るを攻撃の主体に用いるなら左から右へと移動するようにするとか、そういう感じで。
 『掴む、投げる』はここの会社のゲームの特徴と言っていいでしょう。個人的には結構難しく、練習が必要です。が、出来るようになれば投げて敵にぶつけることで生じるコンボによってスコアが飛躍的に上昇しますし、乱戦に優位になります。
 ボムは3つ。溜め打ちすると誘導弾になります。
 ライフはHP制。直撃すると半分近く持ってかれるので、そこまでの耐久力はありません。

 
 全5面。敵の種類や攻撃パターンは豊富とは言い難いのが事実です。正直見飽きるのですが、そこは我慢。ただ後半以降のボスの体力や攻撃はストーリーとマッチしていたりと工夫はされていたので、そこまで悪い印象は受けませんでした。


 難易度は高くないのですが、避け難いというか弾幕間を抜け難いので弾を引き寄せて避けるとボス戦は詰み易いです。慣れない内は打ち返すか大きく避けるかするのが吉かと。


 あと何故か歩兵が出現するのですが、倒したときのやられ具合というか死に具合が妙に荒いスプラッタなのが気になりました。意味が判りません……

  • シナリオパートについて

 OHPを見れば判りますがAngelioと言いデザイナーズチルドレン系のSFっぽいのがシナリオの特徴になっているように感じました。
 展開は段々と窮地に陥っていく逃走戦っぽくあるのですが、なおかつ意気昂揚というように燃えるものがありました。
 文章は必要最低限の量なのですが、硬質な格好付け方が極めてツボにはまりました。特にラスト一文の――この作品は連作の第1作という位置づけなのですが――極めに痺れました。

 最初の、敗北の記録である

 かー! 素晴らしい! イマと歴史が交差するのを鮮やかに切り取っています。


 物語とSTGとの結び付きも強くて、ラスボス戦における“速度が違う”演出は単純ながら効果的に作用していました。

  • システムに関して

 Vistaを使用しているのですが、始めは『D3DRM.DLLが必要ですが、このバージョンのWindowsにはもう含まれていません。』と出ましたので↓を見て解決しました。
 FAQ - Windows Vista Wiki

  • まとめ

 以上。意外とシナリオを楽しめたSTGでした。
 なお今まで触れてませんでしたが本作は18禁なのですが、そういうシーンはないものと考えていいレベルなので、そこらへんは割り引く必要があります。

  • Link

 OHP-爆裂本舗2009