実母が亡くなって以来女性に対して情緒が不安定となり、性的興奮が嵩じるとぶっ倒れる主人公。
父親が再婚した若い義母はほんとうのははおやになるために、彼の傷ついた心と身体を懸命に癒そうとする――
という導入のエロゲ。
メインヒロインの汐梨は(家族として)仲良くなるために、添い寝し、一緒に風呂に入り、母乳を直接飲ませ、義理の息子が汚した自分の下着に悦び、義理の息子の性的衝動の発散に勤めます。
?と首をひねるのですが、そういう芸風芸風。汐梨は自らの母性の赴くままに母親になるという方角へ突っ走っており、その代償として一般的な倫理感が緩いのです。繰り返しますが、緩々です。
おにぎりくんによるどエロい絵で描写される年上ヒロインにだだ甘やかされて、入浴や睡眠や食事といった日常にも性行為が溶け込む爛れた生活を送りたいか――という話で、YESと答えるのであれば滅法浸れる作品になっています。互いに母子関係の構築という言葉にほだされて、おいおいという所まで行くのはシチュエーション特化でしか成しえない有様でした。
欠点としては妻しぼりほどエロのバリエーションとボリュームに欠けている所ですが、ミドルプライスとしては破格に近いですし、美麗にもほどがあるおにぎりくんの絵の眼福さを鑑みればお釣りがくるほどかと。
――というのが表の話。
さて、ここからが本題です。
つまりは、寝取られについて。
これまでAlice softは妻しぼり、母娘乱館、妻みぐい3など、ヒロインを攻略するのが主人公だけではないADVを複数生み出してきました。主人公を操作し、何人かいる寝取りキャラを主人公が邪魔できるかどうか、あるいは邪魔できなくて少しだけヤラれても堕ちる完遂を防ぐことができるかどうか、あるいは身も心もとられてしまうのかにゲーム要素を生じさせていました。例えば母娘乱館では、ヒロインの好感度を上げていると貞淑ゲージが上がって対寝取られ障壁が強くなるシステムでした。
そういった他のプレイヤの同行とヒロインたちの他人に対するハードルの上げ下げを気にしながら、主人公を上手く立ち回させて、望む結末を迎えられるかどうか――を思考錯誤していきます。
望む結末が寝取られであるのであれば、このシステムにおいてプレイヤから見ると、寝取らせになるのです。
このヒヒジジいの寝取りの邪魔はするけど、この性悪ショタには身体を許させるとか、或いは逆だったりとか。
今は一途なヒロインぶって目の前にいるけど昼にはがっつりやられている――みたいなテキストには差分がないからこそ滾るシチュを自らの手で生み出すロールプレイ。
これがまた実に楽しいんですよ。
出だしと全然違うじゃんと指差したくなるぐらいに、割とがっつりずぶずぶに主人公以外に落ちていくあたりは本当に良いものでした・・・。
母娘乱館や妻みぐい3よりもゲームシステムに関わるファクタは少なくて複雑ではないですし、周回するのにストレスは感じなかったも評価できるところかと。
以上。堪能しました。アリスソフトさんはこの種の作品をこれからも定期的に出してほしいですねー
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<過去作品感想>
母娘乱館 感想 - ここにいないのは