舞台は月、時は未来、万能の願望機を巡って聖杯戦争が開催される。
128人の奏者《マスター》。
128騎の英雄《サーヴァント》。
生き残るのはただひとくみ――
私のFateに対する妄想の何割かは聖杯戦争に参加したい――サーヴァントを駆って戦いたいという忘れえぬ少年心によって成り立っています。そして本作はその欲求に応えてくれるものでした。
【セイバー】命運は尽きぬ!
なぜなら、
そなたの運命はいま始まるのだから!
プレイして始まる運命。サーヴァントと共にアリーナを駆けて、成長し、絆を強め、覚悟を決め、敵を倒す――これこそが自分の手でやりたかった聖杯戦争でした。
奈須きのこによる地の文・台詞もRPGとして外れない範囲で決まっていましたし、シナリオ・展開も非常にらしいものでした。
奈須きのこの世界観――“人間が星/地球に生きる世界をどう見るか”は『Fate/hollow ataraxia』より地続きする自問自答であるのですが、状況を変えた未来を舞台でシミュレートして答えを出し、人類を前へと進ませる原動力を得ようとしていました。
【セイバー】この宇宙すべての物も、いつかは消える。
それを空しいと、そなたは言うのか?
全ては星の歴史なのだ、奏者よ。
素晴らしいではないか。
我々はみな、最後には一つに還る。
この星は、
あらゆる生き物を使って、
一つの夢を見ているのだから。
星/聖杯と過程/道程の対比も何度も使われ、階段というガジェットがオーラスで再び使われるのも納得でした。そこでそうくるのが正しい、とさえ思えました。
詳しくは言いませんが、衛宮士郎と“形だけ”同じであるのも、アベンジャーを経て変遷しながら繰り返される主題とマッチしていました。
そして束の間の答えを胸に、語られない未来はきっと、輝けるものが――
- システム
システムの中身についてはぐだぐだ言うつもりはありません。
まったく新しい『Fate』が完成! PSP『フェイト/エクストラ』を隅々まで紹介! - 電撃オンライン
あたりを読めば判ると思います。
それでシステムの感想ですが、戦闘は読み合いに寄り、確かに読み合いの面白さは出ていました。それに3ターンという制約があるからこその今は未だ敵わぬ敵との凌ぐ戦闘が演出されたりと、戦闘に関して様々な工夫が凝らされていました。
ただ欠点もない訳ではなく、特に長丁場であるからこそダレる要素が多かったのは気になりました。同じCGの雑魚、何度も繰り返すと見慣れてしまう戦闘アクションetc、RPGはある程度ルーチンであるのは判りますが、最後の方でダレなかったと言えば嘘になります。
- まとめ
以上。Fate的であり、奈須きのこ節も味わえ、ゲームとしてもそこそこ楽しんでプレイできる、素晴らしい作品でした。
- Link
OHP-フェイト/エクストラ 公式サイト