恋する(おとめ)の作り方 1-7 雑感

 コスメが好きなことを周囲に隠している少年・御堂賢士郎。ある日我慢が出来ず幼馴染の日浦美果をメイクしたら、もさい少年から天下の美少女へと仕立て上げてしまう――

 という女装ラブコメ。 
 個人的にBLや女装およびTSといった男×男の恋愛系はぴんとこないジャンルでほとんど嗜んでこなかったのですが、TLで見てその絵に気になり推している方もいたので手に取ってみました。

 そしてまあ、ぞっこん嵌ってしまったのでした。
 メイクされてからの日浦の顔と仕草の可愛さの破壊力が、ほんと半端ない。

 (4巻、P102)

 これが自分――という戸惑いから始まり、これが自分だ――と受け入れ、可愛く美しくあることを受け入れ、そしてだからこそ余計に可愛く綺麗に魅力的に存在になっていく過程を目の当たりにし、そのまばゆさに目がつぶれるかと思いました。

 その上で、普通の幼馴染で気心の知れた親友同士なのが、持ち前のコスメで相方を魅力的な存在にし/魅力的な存在にさせられたことで変わっていく関係性の描き様もまた美味しいものでした。
 最初はコスメ好きだと周囲に言えない少年だからこその共犯者のような関係で、飾り立てていくのだけが楽しくて、飾り立てられるのが楽しくて。
 ただ自分をここまで可愛くしてくれる存在とは、自分の仕業ながら我ながらここまで可愛い存在とはと思い出し、そしてそれまで無かった想い――こいごころが立ち上がり、同性の親友・幼馴染として過ごしてきた時間が鮮やかになっていく。

 (5巻、P13)

 (6巻、P63)

 いやあ、王道、王道ですよ。
 そして共に過ごす時間は嬉し恥ずかし甘酸っぱいものになり、どの回もどの回も話を重ねるにつれて糖度ましましで最高ににやにや出来、大変結構なお点前でした。

 以上、素晴らしい快作。7巻がひとつの区切りなので、そこまで一気に買ってしまっていいと思います。

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