毎日がM! 感想

 主人公は子供時代の事故によりつらさを性的な喜びに変える体質になったという設定です。
 称して曰く、“絶対M感”。
 罵られたり、非難されたり、いじめられたりすると、ぐぉおんという擬音とともにスイッチが入り、心が快楽の園に吹っ飛び、どんどん達していきます。主人公の特徴が短くて、細くて、早くて、隠れているので、そういうネタで弄りまくり罵りまくるのですが、代わりと言っては何ですが持久力があるため何度でも可能です。その為、下着がベタベタになるは、一回では終わりではないため長いはと大騒ぎです。
 いじめられる内容はノーマルに“多数の女子学生の前で下半身を出す”から、“タイヤを引っつけられてグラウンドを回る”を筆頭としたかなりハードなものまで、選り取り見取りに豊富です。有り体に言って酷いのですが、「興奮しないか」と問われれば、いい笑顔で「します」と答える程度に高いレベルで性的なテンションと結びついています。
 端的にはいじめであり、すんなりとは受け入れがたい本作のM的行為と主人公の精神なのですが、性的なテンションとして伝えられる役割の一端を担っているのはA、B、Cとラベルに割り振られるモブキャラにありました。
 何処かでメタルコミック「DMC」では馬鹿げた快挙をモブがイケイケに解説することで読者に分かりやすく伝わり面白さが増幅されているという記事を読んだことがあるのですが、この作品においても同じことが起きているように感じました。
 例を挙げれば如月実玖というスケバンのサブキャラがいて主人公を辱めるために「必殺奥義、如月! 破玉雷裂電気按摩」を披露します。まあ電気按摩であり、配下の女子学生の前で行います。それを主人公が持ち前の持続力で破るのですが、その時のモブキャラたちの台詞が振るっています。

 手下A「ありえない! 童貞の早漏い奴はバケモノか!」
 手下B「実玖様が神の領域に踏み込んだと同様、こいつも魔王の高みへと登り詰めたというの!?」
 手下C「長年身を守っていた皮の鎧が、これほどの性能だったとは! 包茎、恐るべし」


 本当、好き放題に言ってくれるよな……。

 ……万事こんなものです。衆人環視という雰囲気を盛り上げるはずのモブキャラの介入が実際起きている行為をあえて言語化することで行為を性的なものに高めて変換する一助となっていると言えます。
 ここまで書いて何を語っているのか不可思議になってきたので、やめておきましょう。兎も角も、Mを楽しめるよ!、とそういう事で。


 メインヒロインは3名の女子学生。それぞれ1名づづサブキャラが割り振られています。シナリオはどれもこれもアホくさい流れで楽しめます。有り得ねーと笑いながらやるのが吉でしょう。
 それではヒロインを個別に少々語ってみます。
 吉乃川由梨菜。親分肌なのですが暴力的で3名の中では最も酷い行為となっています。しかし主人公の同僚の女教師がしゃしゃり出てから雰囲気が変わっていきます。やっていることは変わらないため、萌えるかどうかは人次第かと。なお初めてのシーンで血が男の尻を上から下に伝うのですが、そんなシーンは本作が空前絶後でしょう。
 綾島穂乃果。スレンダーでクールなキャラ。基本的には1対1で言葉攻めをメインに攻めてきます。個人的には一番好みでした。このルートでのサブキャラは引きましたが、主人公の撃退方法に吹きました。何と言う、壮大なバカ。そしてそこからのどんでん返しに更にドン引きだったのですがー
 小南麻央。おもらし癖のある巨乳で無邪気キャラ。何故か主人公の息子に一目惚れします。以降紆余曲折合って無邪気に攻めて来て、ラブラブします。ここでのサブヒロイン・実玖はイチオシです。根は抜けている気の良いスケバンで、主人公のM気が高じて更に攻めざるを得なくなった時に漏れ出る本音は和みました。
 以上のルートの全てのEndを通ってきたならば、ハーレムルートの無茶を目にしても穏やかな気持で受け入れられます。  


 絵は第一に目がよく、切れ長で実にいい具合に蔑んだ感じが出ています。ぞくぞく来て、好みでした。全体のバランスはそれなりですが、エロさは出ていました。
 声はノリノリにならざるを得ない台詞ばかりで、お疲れ様でしたと言いたいです。モブもいい味出てました。


 以上。M的に傑作でs。ネタとしてもかなり優秀なのでお薦めです。

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アトリエかぐや Honky-Tonk Pumpkin (2008-11-28)