無限に増殖する巨大構造物の中を、主人公・霧亥が重力子放射線射出装置を片手にネット端末遺伝子を持つ人間を探して延々と旅をする――というのが原作漫画。
線と絵のスタイリッシュさと、巨大物の描きこみはある種の人々を引き付けて止まない独特な魅力を有していました。
私も御多分に漏れずこの傑作を愛しているのですが、20年目にして初の劇場公開アニメ化されたということで、喜び勇んで公開初日に劇場へと向かいました。
観たのは当然東亜重音版です。
見ます pic.twitter.com/EoghoW4ClX
— ぱぶ (@pub99) 2017年5月20日
観終わった感想としては、BLAME!を見に行って想像以上のBLAME!が出て来たなあという感じ。
個人的には大満足でした。
全身武装を身にまとった少年少女兵が広大な構造物の間を蠢く出だしから、心憎い霧亥の登場まで導入は完璧。後はもうテンポ良く進んでいき、2時間があっと言う間でした。ストーリーは奇を衒わないストレートなものでしたが、キャラと世界観を存分に使いきって飽きさせません。
そして暗くてデカくて狭いという、光と距離の使い方が難しい異常な時空をリッチな映像へと落とし込んだ手腕はお見事。重力子放射線射出装置の迫力も充分でした。あと少女たちが外装を脱いだ時の水蒸気は臭そうで素晴らしかったです。出来ればもう一脱ぎ、、、、いや何でも。あとは民族衣装を着たづるのささやか胸とか眼福でしたし、3D等身大アニメの良さに溢れていました。
キャラも立っており、づるはメッチャ可愛いですし、シボの淡々とした理性的な喋り方と冷たい美貌と機械化した身体は最高。そして何よりもサナカンですよ! 素晴らしい! あれぞサナカンという酷薄さ。一見の価値がありかと。
劇音もかなりのレベル。霧亥のテーマの鋭さとか、サナカンのテーマの怪獣登場かと突っ込みたくなる重厚さとか、耳に心地よく残るBGMが多かったですね。腹に響くSEを含め、東亜重音は伊達ではない臨場感を生み出していました。
以上。劇場で観るのをお薦めします。ミニフィギュアももらえますし、あの映像と音楽を劇場で味わわないのが勿体ありません。このレベルで本編全編を通しでアニメ化してくれれば言うことないんですが、流石に無理ですかね。
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