赤髪の鬼神 雑感

 最強の女将軍が罠にはまり奪われた魔力を取り戻そうとする。効率の良い方法はサッキュバスの指輪を用いて人の性的嗜好を読み取り、自らに欲望を向けることだった。かくして冷徹で最強の美女は望んで男を漁っていく――

 というエロ同人RPG。いわゆる戦闘はなく(戦ったら勝つので敢えて棒立ちになるための戦闘システムはありますが)、いわゆるイベント探索型となっています。
 無表情で喘がないのが販売ページの売りなのですが、そのシチュ特化具合が実に最高でした。
 貞操観念が弄られ体を許すハードルが極めて低くなり、精液を美味しいと感じるように味覚をも歪められる――とプレイを進めると男の精を搾り取る魔性の気質になるように成長させていくことになるのですが、それをキャラクタ自体が明確に自覚しているのです。自分がおかしくなっている、と。そして、それを「良し」とあっさりと割り切ります。快楽には流されず、あくまでどこまでも己の美貌と性的な能力を武器として使い、性行為は魔力を取り戻すための方便だという態度が最後まで貫かれます。
 高値の花が高値の花のままに下賤な男を搾り取っていくその描きっぷりはあっぱれでした。
 しかも上手いのは、女将軍は欲望の質と効率を重視するが故に男の欲望を大事に扱うという描写を常に忘れないことです。女将軍は男たちの内心の欲望の声を読み取って武芸の技の如く冴えた性的な技を冷徹な理性を持って繰り出して欲望の火を煽り、その結果として男から見れば一夜絶世の美女に欲望を思うがままに吐き出せたという満足を得ます。
 どこまでも強い女性の艶姿として、文句がつけようがありません。

 そして素晴らしいと諸手を挙げて褒め称えたいのは冒険者が集う夜の街でのウリに関して。
 モブエロの差分が非常に良いんですよ。プレイしている本数はあまり多くないので大きな声では語れませんが、普通であれば汎用エロって絵とちょろっとした文で流されるのですが、本作は個人的に歴代で一二を争うぐらいのレベルでした。

 

 ナンパしてくる男には左上に記載されているように属性があり、男がSっ気があれば相手が攻めてきて、Mっ気があれば女将軍が敢えて攻めて、体力によって何回戦になるか決まり、どこに挿入するかも嗜好次第で、いずれにせよ――果てさせ沈没させます。この組み合わせの差分があることでそれなりの回数でモブエロが目新しくなり、どんな男がナンパしてくるかかなり楽しみでした。

 

 あるいは女将軍から男をひっかけにいくパターンでは、慣れている男とは路地裏で濃くすませますし、童貞であれば宿屋でがっつりいきます。童貞の方の描き方も趣きがあり、女をこれまで知らないからこそ欲望が強くなるため、女の身体を知らしめて記憶に色濃く残そうとします。その冷静な計算が怖くて――興奮しますね、ええ。
 
 その他、高級娼館の踊り子に扮して出来るだけ高値で落札させようとするとか、城の中の自らの謹厳な態度を知る兵士たちを食いまくるとか、シチュエーションは粒ぞろいでした。


 以上。システムは偶に不安定だったり、回想システムがまだ完全には整っていなかったりしましたが、個人的には声を大にしてお薦めです。

  • Link(リンク先18禁)

 赤髪の鬼神