Fate/Samurai Remnant 雑感

 願望を叶える盈月を求めて七人七騎が争う盈月の儀。浪人・宮本伊織はたまたま巻き込まれたが故に、セイバーと共に己が二刀流をふるい戦いに身を投じていく。勝ち残るのはただひとくみ――
 
 という江戸時代を舞台とした聖杯戦争を取り上げた無双系アクションゲーム。
 3ルート+おまけエンドを外伝全クリアした上で30時間ぐらいでクリアしました。

 さて、正直言うと本作は自分にはまともな評価は難しい感じです。


 や、無双系ほんと好きじゃないんですよ・・・
 有象無象をばっさばっさと切り捨てていき、派手なアクションや必殺技をばしばしと極めていくのがきっと楽しいんでしょうが、色々と手を出してみるもその大味さに乗り切れずにここまで来ました。
 本作もアクションパートはかなりの苦行でした。アバウトなエイムで雑魚にターゲットできず適当にふるしかない攻撃となぜか当たるよくわからない攻撃範囲、面白みのないマップ移動、いらないだろうという見栄えのしない同じような雑魚戦の数々・・・。
 いや良い所はある気がするんですよ。サーヴァントを操作して有象無象を叩きのめす存在としての強者とシンクロする爽快さとか、剣を振るだけじゃないアーチャーとかの目新しい挙動の操作感覚の楽しさとか。Fateらしさを無双系に上手く落とし込んでいるので、それを楽しめる人には堪らないのかもしれません。
 でもねえ・・・。うーん。個人的には一振りがひりひりする、高難易度ソウルライクの路線で行って欲しかったなあ。
 そんなこんなで2-3周目は死んだ目で『空』のコンボをひたすら重ねていました。


 じゃあなんで手を出したかとシナリオ目的ですね。特に今現在FGOでサムレムコラボやってるので、それを十全に楽しむために急いでクリアした次第。
 そこはやった甲斐があり、シナリオの出来は良くてかなり楽しめました。
 江戸時代が進み太平になり剣のみに生きる術はほぼ既に廃れた世で、宮本武蔵の弟子で今なお二刀流の道を究めんとする男が妹と穏やかな生活を送っていた。時代遅れだが人あたりの良い剣士だという評価に落ち着く青年がとうとうその剣を振るう場を得た――得てしまった。盈月の儀による被害者を減らすためという積極的な勝ち抜けを目論むわけではない道行で、必然的に他人の願いを切り捨てながら、彼自身の願望がどう形を成すのか。
 それは、プレイしてきた全てがひっくり返るようで、あまりにも妥当な願い。
 プレイしてきたこれまでが――自分はしかめっ面ではありましたが――あまりにも幸せだったのだと知るのは、悪くないゲーム体験でした。その上での終止符がまたなんとも言えず、Fateの派生作品の中でも有数の出来栄えになっていたかと思います。

 これで本当にゲームを楽しめていたら、自分にとって無類の傑作になっていたに違いないのに、残念です。


 以上。次はFGOサムレムコラボに突撃します。鋼屋ジンさんなので間違いなく面白いでしょうから楽しみですねー

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