コボルドの家畜騎士 感想

【セルマ】
いつか……必ず、皆殺しにしてやる……!
必ず……必ず……!


……えッ!?


なんで……ボクは……!?
こんな……身体……!?!?


ち……違う!
ボクは……まだ、大人じゃ……・
大人になってなんか……!!


い……いやだ!
違う!
違う!


ボクは……騎士で!
まだ……まだ若くて!
こんな……こんな……


こんな……だらしのない身体なんかじゃ……!
ぼ、ボクは……違ううぅぅぅぅぅぅッッッ!!

 才に満ち、若さに満ち、美少女の騎士セルマ。彼女が罠にかかりコボルドの家畜となり、少女から大人となり中年女へと至るクロニクルを描いたオリジナル同人18禁RPG


 RPGと言ってもレベル上げや戦闘はなく、純粋なイベント探索型です。セルマを主人公キャラとして操作し、蟲が這いずり、芋虫が蠢き、数多の女性が阿鼻叫喚を発するコボルドの地下牢の中をうろつき、コボルドに弄ばれ孕ませられていきます。ひたすら、えんえんに。プレイヤが飽きて、次の年代に行かない限りは汚されて続けるのを目の当たりにし続けるのです。
 そして成長するごとに失われていた騎士としてのステータスを取り戻すのは遠くなり、身体は性的にだらしなく熟れていきます。最早脱出などできるはずはなく、数え切れないほど生んでしまったコボルドの子供は人類を殺す手先として戦争へと駆り出されています。
 絶望しかないのですが、"にも関わらず"、セルマはコボルドに媚びを売り、性的快楽に悶えるだらしない笑みの下で、コボルドに捕まる前の騎士としての誇りにすがり続けます。何もかもが壊れてしまって、何もかもに人格は否定されるのに、何処までも悟性ともいうべき彼女そのものは壊れないままなのです。誰も知ることがない、知っても意味が無い頑なさがまた状況の絶望を煽ります。


 云々かんぬんと述べてきましたが、作品を端的に評せば、そうですね、――控えめに言って超最高。
 シチュエーション特化型の傑作です。
 強くて美しい美少女が気高い騎士として成長していく未来を台無しにされた代替として性的に成長し、最終的には熟れてだらしない身体をした女へと成長していってしまう。その過程のなんて甘美なことか。
 現在の身を拘束するだけではなく、未来の時間をも含めて陵辱するという出口の無さを同期性をもって表した作品としてあまり類を見ません。
 

 あともう一つ好きな陵辱要素があったのも嬉しさが倍増でした。それは"以前陵辱されて快楽に目覚めていたけど立ち直った気高い精神が再度性的に屈服する"という点です。
 実は本作の主人公は前作『Damned, Kill me!!〜くっ、殺せ! オークと女騎士の物語〜』で出てきたサブキャラの1人でして、オークに陵辱調教されきり、一旦は体は性的な快楽に溺れてしまっていたのでした。助け出されて騎士として再度勇名を馳せたものの、身体の奥深くで快楽は眠っているだけであり、今度はコボルドによって呼び起されてしまいます。清いキャラが一から汚されるのも嫌いじゃないですが、かつての快楽堕ちが呼び起されるというのは大好物でめっさ興奮しました。いやもう何処まで喜ばせてくれるのかと。


 更に付け加えると、同じ様に捕まえられた周りのモブキャラの時代毎の反応の変遷もまた心に来ます。
 ――若年時代。

【家畜】
あなた、騎士として有名だったんですって?
……こんなところに入れられたら、関係ない話ね。

 ――中年時代。

【家畜】
あなた、昔はすごい強い騎士だったんですって?
とても信じられないわね。
恥知らずにコボルドに媚びるあなたからは想像もつかないわ。
……若い頃のあなたより、私の方が、絶対強いわよ。


 いやあ、言われる台詞にぞくぞくきますね!


 さて、じゃあここまで貶められて、最後はどうなるかは御覧じろ。
 逆転はないと購入ページで断言されているのですが、そう締めるか!という感じ。前作もそうでしたが、ベースがダークファンタジーとして整っているのを実感しますね、ええ。


 以上。強キャラ堕ち、再屈服、同性からの嘲笑――大好きな要素の詰まった素晴らしい作品でした。他人にお薦めかというと、いやどうかと首をひねりますが、個人的にオールタイムベスト級かと。

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