終わった世界を2人の少女が旅をしていくのを描いた作品がとうとう第6巻で完結。
4-6巻にかけて一気に読みました。
前半でも失ったものやもう二度と手に入らないものが描写されていましたが、それでも終末の世界なりに得ていくものがありました。
しかしこの後半で、彼女らは色々なものの最後を看取っていくことが多くなっていきます。
(5巻P109)
宇宙に見られた夢――最後のロケットとか。
海に見られた夢――最後の潜水艦とか。
永遠を夢見られた神様――最後のAIとか。
巨大な水槽に一匹残った魚とか。
車に乗って上に向かって旅をする少女たちを待つように訪れるそれらの最後を経験していきました。
そして地球と人類。4巻の最後を持って、その未来は宣言されます。これまでの巻で会ってきた人がどうなったかの答えも、そこにまた。
それまで様々な終わりが過ぎてきたように、2人の少女――チトとユーリの旅の終わりも当然在ります。
作者が用意したとどのつまりが残念だったら興醒めにもほどがあるのですが、当然そんなことはありませんでした。
そこに辿り着くまでの喪失を含め、人間にとっては残酷で、でももう二度と動揺や混乱が起きない静謐を至上とするのであればそれ以上にない、終末のイマジネーションが待っていました。
以上。終わってしまうのは寂しいことですが、そのマイナスの感情を含めて楽しめる傑作でした。
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公式:少女終末旅行 - つくみず / 01 星空 | くらげバンチ
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