黄昏乙女×アムネジア 1&2 感想

 黒髪の長髪、古式ゆかしいセーラー服、黒スト――三種の神器が揃った最強の幽霊乙女・夕子さんに中学生の少年・貞一が旧校舎に迷い込んで出会う。ひょんなことから怪異調査部に属することになって、学園の七不思議や怪談に関わっていく――
 
 
 という感じの内容。
 幽霊の夕子さんがとにかく無闇矢鱈と可愛過ぎます。
 触られること、見られることが無かった為に貞一に胸を触られても、裸を見られてもオールカミングです。膝枕やあーんと食べさせることも楽しそうにやりますし、折に触れて抱きついてきたり、飛びついてきたりします。羨ましい。
 そうした嬉しそうな接触だけでもポイントが高いのに、照れ方がまた凄まじい。物品運搬用みたいに小さくて真っ暗なエレベーターに密着して乗り込んで、明るい所で改めて密着具合を確認して赤面したり、まあ意味は推測出来るでしょうカラダの一番深い所である“丸裸”を見られて絶叫したりします。しかも赤面の長続き仕方も最適です。言う事ありません。
 それにシリーズが続くに連れて、貞一が生きている女の子と仲良くするのに複雑な思いを抱いたり、時間の積み重ねを判らないけど今までと違うことに痛みを抱えたりと見事なヒロイン像を披露します。特に時間経過が判らないのに、時間の積み重ねるというネタは美味しいので要所要所で使って欲しい所です。


 ストーリーは上記のように学園に流れる七不思議や怪談にまつわるものとなっています。その内に美少女たちをひきつけるという様式美は読んでいてにまにまします。まあ60年の歴史を持つ学園は怪しい場所がありすぎですし、怪しい人物を集めまくりなのですが、そういうものなのでしょう。全ての謎が昔生きている“夕子”さんに起きた事件に関わってきそうです。2巻の後半から夕子の身内も出て来ますし、だんだんと収束に動いていくのでしょう。
 根幹に関わる謎で気になっているのは何故貞一は夕子を見られたのか、何故夕子は貞一の名前を知っていたのか、そして何故夕子は貞一に見られると知っても驚かなかったのか、です。ヒントとしては怪異に囚われた無垢な少女に向けて語られるルール、

 見始めた幻は
 全部“忘れる”まで消えない
 (1巻 P66)

 があります。それに初めに期限は宣言されていました。

 それでも
 きっと……
 いずれは見ることすら叶わなくなる
 (1巻 P26)

 どういう結末を迎えるのか、そして何より夕子さんの可愛い所がどれだけ発揮されるのか、続きが楽しみです。
 
 
 絵は作者がめいびいさんですし、クオリティは高いです。くるくる変わる表情と良い、夕子さんへの愛を感じます。章の合間合間のとぼけた絵も好きです。


 以上。自らの骨を見られることにめっさ照れる幽霊おねーさんに会いたいなら、是非お薦めです。

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