ささやくように恋を唄う1 雑感

 新入生・ひまりは歓迎会で披露されたバンドのボーカルに一目惚れした。彼女はひょんなことからボーカルである依と知り合い、仲を深めていく――


 学生物の百合漫画の1巻。
 評判が良かったので手を伸ばしてみましたが、一読快哉を上げました。
 感想を一言に突き詰めれば、めがっさキュート――となるでしょうか。

 (kindle No.15)

 この一目惚れから物語が動くのですが、一目惚れされた側/依もひまりの一心に慕ってくる様子に満更ではないというよりも、その最初の"一目惚れしました"宣言からクールで孤高系から堕とされていきます。そして物語が進むに連れ、依の一人称に沿ってひまりの裏表の見えないひたむきな一挙一動にきゅんきゅんしていくことになります。
 かなり初々しいお話なのですが、非常に可愛いらしい絵柄もそれに劣らず負けていませんでした。
 高度にお話と画とが噛み合い煌めき、ほんと輝ける少女時代の一目惚れに相応しい作品となっていました。


 そう、一目惚れ。
 お互いに一目惚れ、ではあった――と1巻最後で明かされるのがこの作品の最大のフックでした。
 ここにきての関係性の逆転――こういうの大好き!と鼻の穴を大きく膨らませるしかなく。
 今後どう転ぶにせよ、この絵柄と表現力で何を魅せてくれるのか本当に楽しみです。


 以上。この作品の今後の更なる発展を期待しています。

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 HP-作品紹介 | コミック百合姫 | 一迅社