冬来たり、春に去った匂坂マユリを追う準備が整った。
白羽蘇芳は彼女を取り戻すため学園に秘められた謎に遂に迫る――
女学院・聖アングレカム学院を舞台とした百合学園ミステリADVの第4弾。完結編です。
口ごもったあやふやな証言を吟味し、鍵を集め、碑文と秘密の紋章の謎を解き明かす一連の推理と実践の流れはこれまで出てきた登場人物が勢ぞろいし、ダイナミックでした。また登場人物が皆ある程度活躍するのに合わせて、ここで萩原先輩や外間先輩のイラスト出すんだ――と最後の最後で披露するイラストの豪華さには感服でした。
真相をどう思うかは人それぞれなのであまり触れないでおきましょう。これまで童話を演技することで現実の人物関係を隠喩していた作品群としては極めてらしいものでした。マユリの行動周り(普通に蘇芳に真相言えばいいじゃん)とダリア教諭の振舞(真実の女神にマユリを選んだのって貴女じゃ・・・)に若干の不審がありますが、まあそこはそれ。
なお残された謎に関しては開発者がこう答えられています→電撃 - 【ネタバレあり】『FLOWERS』冬篇をクリアした感想をスギナミキ氏にぶつける1万文字インタビュー。
蘇芳の名前に関する謎などあまり本筋には関係がない話はバックボーンとして別媒体で保管しておけばよいでしょうが、誰に殴られたとかそこらへん本編内で完結して欲しかったとは思いますがねー。まあ画集を買います。
百合に関しては色々と充足できました。これまで我慢していた蘇芳さんがいきなりがっつく、あのbitter end前の逢瀬はかなり良かったです。
が、そのメインのアミティア組を押しのけて、実は4作通して隠れ『すおえり』派だった身として大満足。
【譲葉】「――君は何故蘇芳君に手を貸している」
以降とか、個人的には胸キュンですよ、ええ。
以上。4部作を通して百合学園ミステリを楽しませてくれました。好みだったシリーズです。
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<シリーズ感想>
FLOWERS 春篇 雑感 - ここにいないのは
FLOWERS 夏篇 雑感 - ここにいないのは
FLOWERS 秋篇 雑感 - ここにいないのは