FINAL FANTASY VII リメイク 雑感

 2020年4月10日の発売日に購入し、5月6日にクリア。プレイ時間は31時間49分。
 色々と思う所があったので簡単に感想を書いておきます。
 
 まずFF7のオリジナルはインターナショナル版をプレイしました。年代的にぎりぎりリアルタイムではなく、出てから1-2年後ぐらいになるでしょうか。ほぼ自力でプレイしたのですが、ヴィンセントを仲間にせず仕舞いだったり、海チョコボを作らなかったのでナイツオブラウンドを手に入れなかったりと、隅々まで要素を網羅した訳ではありません(FF6でシャドウを待たずに行ってしまい再プレイせずとかそういうところはあります)。それでもご多分に漏れずゴールドソーサーに入り浸ったり、ゴールドソーサーでのデート相手をティファにしようと頑張ったり、大空洞のラスボス戦前にセーブクリスタルで作ったセーブから5回ぐらい繰り返したり、それなりの時間を費やしました。そして何より矢張りエアリスが"途中"で離脱する衝撃の展開で、こういうゲームが世の中にあるんだと心に刻まれました。
 そんなこんなで多感な中学生の一時期に嵌りこんだRPGとして、こよなく愛する作品の一つです。

 ではリメイクに何を求めていたか――と自分に問い直すと、なかなか答えるのに難しい。
 漠然と答えるのであれば、同じように或いはより一層楽しみたいとなるのですが、思い出補正がある以上、そんな訳にはいかないのは判っています。
 判っているのですが、満を持して作ってきてくれるのであれば、思い出以上/期待以上の傑作を待ち望んじゃうんですよ、これが。


 では本作『FF7 リメイク』は?
 うーん、といったところです。

 構造はオリジナルから2週目を意識していました。特に新規の要素である、運命を司る『フィーラー』の設定からあからさまです。起きた未来と起こりうる悲劇の改変が、『現在』から真新しい道を進むことが出来るか――それがより良いものだと信じて――と終盤でなっていきます。つまりリメイクによる運命改変が起きるかどうかになるのですが、ミッドガルまでとした単作なのでしょうがないですが、改変される前で終わってしまいます。
 そしてだからこそミッドガル内で追加要素が多くて、短い割りに間延びしてしまった締まりない作品になっていた感がありました。お使いクエストは設計が上手く行けばそれなりに楽しくなるゲームもありますが、別にFF7でお使いクエストでマップを駆けずり回りたいわけはなかったですね・・・。
 新規のアクションRPG的な戦闘システムは悪くなかった気がします。クラウドやティファ、エアリスを自分でがしがし動かしたい欲はかなり満たされました。しかし戦闘カメラが残念で、戦闘全体への好感度は高くありません。アクションRPGにしたのに、アクションについていけないカメラはいかんでしょ。
 あとウェポンをカスタマイズするののもっさりUIは残念でした。オートカスタマイズするのがデフォルトになるのも致し方ないかと。

 ・・・マイナス点を言い出しても切りがないので、そろそろ良いところに移りましょう!


 徹底的にリファインされて細部まで描写されるようになったミッドガルは圧巻でした。洗練された超高層ビルも、スラムも、列車も、プレートに塞がれた空も、瓦礫も、偽りの太陽も、全てひっくるめて機械都市としてリアリティを高めていました。ふとした視線の先がどれも絵になっていました。だからこそマップがリニアなのが残念でした。これでオープンワールドだったら感涙だったかと。
 ・・・後はリニアといっても、細いところを通るのがこれほど嫌になるゲームはちょっとありませんでした。なんでそこでもっさりと時間かけるかなあ・・・・、おっと悪いところはもう言わないんでした。
 音楽は今回も最初からEDのボーカルまで良かったです。声もマッチしていましたし、もともと音響関連の要求度は低いたちなので文句なし。取り分け戦闘中の台詞は聞いていて楽しかったです。エアリスがサンダーを唱える時の「びりびりー」とか、あざとかわいすぎて何度も聴きたくなりましたね。
 そしてシナリオで良かった点に関して。まず若い面子のテロ組織の活動の側面が色濃く出ていました。ジェシーがど直球に「爆弾闘争」とのたまった時にはのけぞったものですが、反体制として真っ当にアウトな行動を取り続けます。仲間と認識させるために「クラウドにあえて爆弾を取り付けさせる」とか、こう色々と思う所がある振る舞いの数々。巨悪に翻弄されていい様に扱われた弱小な組織というテロ組織を主人公サイドとする扱いとしては計算されて描写されるのですが、割と言い訳が利かない責任があるのも確かです。ミッドガルやスラムの住民をきっちりと映像化したからこそ、より死へのきっかけになったのが重くのしかかってきます。この実在性はプレイしていて、ゲーム内世界に没頭する良質なエッセンスとなっていました。
 テロ組織の活動の味を強くされた上で、それと同じくらいの強さでクラウド・ストライフが認識する個人としての最初の冒険譚としてわくわくするものになっていたのは非常に面白かったです。アバランチジェシー・ビッグス・ウェッジと友好を深め、幼馴染のティファの隣に住んでどきどきし、偶々あった美少女のエアリスにどぎまぎし、なんだかんだバレットに認められて「なんでも屋」としてやっていけるんじゃないかとお墨付きを貰う。澄ました顔しながら楽しい居場所を手に入れる――これはオリジナルになかった趣向であり、クラウドの個人としての新たな道として打ってつけの一歩でした。
 だからこそ、曖昧な過去を背にし、変えたい未来とを前に、クラウドとしての楽しさを知ってからどういう道を選んでいくのか――がより気になるところかと。
 あとエアリス×ティファが百合でした。


 最後に自分のプレイ動画の一部をぺたりと貼ってみるテスト。
 


 
 
 ―――実はかなり楽しんだんだろう、という突っ込みはありよりのありですかね。


 以上。ぶちぶち文句を言いながら最後まで追う厄介な客としてついていきます。

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 OHP-FINAL FANTASY VII REMAKE | SQUARE ENIX

ファイナルファンタジーVII リメイク - PS4
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