D.C.P.K. 感想

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 D.C.D.C.2との時間軸が異なるゲームのキャラクタがごちゃまぜになってポーカーをするという設定のファンディスクです。ゲームオーバーはなく、負けても再挑戦が常に出来、ペナルティもありません。勝つまでひたすら勝負し続ければ良し。
 ゲームはポーカー本来のものと付加されたルールとの両方の面白さがきちんと出ていました。対戦相手の点数を0に持っていくのが目的なので、役がない時もブラフをまいて相手を降ろさせるように持っていけばいいが、自分の抜け時が肝心――などというように戦術を取捨選択するのが実に楽しかった。ぶっ飛びイカサマがなく、プラスルールとして強制コールがある程度なのも、読み合いの妙を壊さず、むしろ良い方に複雑化させていました。まあ1対1になるまで降りられる時は降りるという戦法が一番有効かもしれないという大きな欠点がありますが、そこは見ない方向で。なおゲーム中のCVが少なめなのがやや残念でした。表情と特殊な行為時以外に固有の反応がないためそのキャラと対戦しているという盛り上がりに欠けました。全てのキャラ、全ての行動時につけると大容量になってしまったでしょうが。


 シナリオは極めてシンプルなつくりとなっています。ポーカーをしていれば生きていけるという世界の究明、その世界からの脱出といった全ては主人公が誘導される1つの出会いの過程で成し遂げられます。時間軸が異なり、血縁関係にあるキャラクタを会わせたのだから、泣かせや笑いに芸を利かせる余地が大いにあるのですがが、そんな無駄な装飾はされません。
 D.C.シリーズを経て孤独になり、D.C.2で終わり、D.C.2SSで不在となった『彼女』。
 その『彼女』がただただ彼に出会い、他の何とも関係なく彼に自分を見てもらうために全てが費やされています。当然ながら彼に当てはまるのは2名であり、始まりに出会った主人公の純一はヒロインを決める王子様に、終わりに出会った主人公の義之はヒロインの窮地を救うヒーローに指名されます。
 出会ってからどうなるかはプレイしてのお楽しみ、ということで。


 以上。ポーカーは楽しめますし、シリーズをプレイした人間には非常に感慨深い良作でした。




 フルプライスは馬鹿高ですが。

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