水戸黄門 天下の副編集長 雑感

 国史編纂の事業は締め切りを破る作家達のために完成が延びていた。先の副将軍・光圀公は覚兵衛と介三郎とを共に原稿取り立ての旅に出る――

 水戸黄門をパロディにしたギャグ物の時代劇小説。
 作家のそれぞれが原稿を書けない言い訳がしょうもない事件になり、覚さんがうろたえ、介さんが調子をこき、お吟が温泉に入り、ご隠居が最後で良いところをかっさらう――というテンプレの連続。真面目な顔でぼけ倒し、手を変え品を変えドタバタさせると、どこをとっても笑いを取ってきます。
 肩肘を張らずにげはげは笑って読め、B級小説の鏡といった具合。
 機龍警察シリーズを筆頭に単発物でも硬派なアクション小説のイメージがあったので、まさかこういう作品を出しているとはなーとちょっと感心しました。

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