小村くんが隣の座席の気になる女の子・三重さんが眼鏡を忘れたのをサポートしだして早8巻目。
ワンアイディアのシチュエーションで始まったラブコメが登場人物を無暗に増やさずにきちんと続いているのは素直に素晴らしいと思います(始まりのシチュエーションが少し窮屈になってきているのは致し方ないところでしょうが)。
さて、この巻では中学3年生の夏休みを描かれるのですが、本当に胸の奥底をくすぐられました。
もう二度と来ない、夏休み。
べたに言えばsecret baseや夏祭りが流れるようなそれ。
初々しい二人を通した時間の流れの描き方が抜群で、なんとも形容しにくい青い夏が濃厚に薫りたっていました。
それは例えば水泳帰りの銭湯だったり。
あるいはTVで流れた映画を同じように終わった深夜に交わす他愛ない会話だったり。
(kindle No.23)
はたまたコンビニで偶々出会って食べるアイスクリーム。
(kindle No.47)
そして彼女は浴衣で着飾って、彼は彼女の家族から借りた甚平をまとって、手を取って行く嬉し恥ずかしの夏祭り。
何もかもが彼らにとって輝いていて、読んでいる自分もその輝きに包まれる多幸を味わえました。
これから訪れる別の高校に進むという離別が、真の離別にならないようにお互いが頑張ろうとする最後の原動力として最高だったかと。
以上。返す返す素晴らしい夏休み物でした。大好き。
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OHP-好きな子がめがねを忘れた ガンガンJOKER -SQUARE ENIX-
<既刊感想>
好きな子がめがねを忘れた 1-2 雑感