好きな子がめがねを忘れた11 雑感

小村くんが隣の座席の気になる女の子・三重さんが眼鏡をよく忘れるのをサポートして11巻目。 とうとう互いに好意を告白した彼らは付き合いだします。 そもそも無自覚的にナチュラルにいちゃついていて、周囲に相思相愛さをふりまいてた彼女らが自覚的になっ…

夏ノ終熄 雑感

パンデミックにより世界は終わりを迎えようとしていた。田舎で一人生き残った青年は海を目指して正反対に来てしまった方向音痴の少女と出会い、ひょんなことから彼女と2人の生活が始まる―― CUBEが制作したミドルプライスの中編ADV。 終末を背景にしています…

FINAL FANTASY XVI 雑感

FFシリーズ7年ぶりのナンバリング新作のアクションRPG。 発売日に購入し、プレイ時間75時間ぐらいで全サブクエと全リスキーモブを倒して1周が終わりました。 まず前作FF15は嫌いになれませんでした。車に乗ってラジオ流しながら道路を走るオープンフィールド…

淡島百景 4 雑感

淡島歌劇学校合宿所、通称"寄宿舎"に集い歌劇団員を目指す少女たちを描いた漫画の4巻目。 これまで3巻をかけて華やかな舞台に立つことを望んだ少女たちの成功と挫折、希望と絶望が取り上げられてきました。少女たちのいまとかつての青春時代を語るものでもあ…

わたし、二番目の彼女でいいから。 6 雑感

二番目に好きな同士として密かに付き合う恋愛が破局的な結末を招いた高校時代を過ぎ、人間関係と場所を改めて大学生活を始めたのが前の巻。 気分一新はっちゃけようと着流しを着て下駄を履いて胡弓を奏でる主人公の姿は浮いてすべりまくっていたのはともかく…

隣のお姉さんが好き 3 雑感

中2の少年・佑は映画好きのお隣のお姉さんをわかりたいがために無理を言って毎週水曜日に一緒に映画を観るようになった。画面を見つめる彼女はなにを考えているのだろうか―― 中2男子が高2女子に熱を上げる年の差ラブコメの第3巻。 『好きな子がめがねを忘れ…

冬にそむく 雑感

世界中が寒冷化し「冬」が到来していた。11月にして雪に覆われた神奈川で、少年と少女は出会う―― 偏愛する作家のひとり、石川博品の新作長編。 個人的にこの作者のもっとも好きな部分として、環境の描写が巧みで読んで浮かび上がるイメージが豊かな点があり…

蜘蛛ですが、なにか? 1-16 雑感

女子高生として授業を受けていた記憶を持つ「私」は突然地下迷宮の蜘蛛に転生していた。最弱に近い幼体から、地下迷宮の過酷な生存競争をスキルとレベルを上げて生き抜いていく―― という出だしで始まる、なろう発のファンタジー長編小説。 構成の面白さに膝…

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース 雑感

あれから1年と少し、新しいスパイダーマンとして世界の危機を救ったマイルズは進路に関して親とぶつかりながらヒーローを続けていた。久方ぶりに会いに来たグエンを追ってマルチバースの中心にたどり着き、スパイダーマンの真実を知らされる―― 公開翌日に吹…

アグレッサーズ 戦闘妖精・雪風 雑感

戦闘妖精・雪風シリーズ4作目。 これまで正体不明の異星の敵・ジャムとの戦争を書いてきました。しかし本当に奇妙な戦いであり、戦闘機が飛び交いミサイルで撃ち落とすわかりやすい戦場の裏で、執拗にあいまいな境が描写されてきました。 ジャムにとって人間…

虚構推理短編集 岩永琴子の密室 雑感

一つ目一つ足のおひいさま・岩永琴子が妖怪や幽霊にまつわる謎を解決するミステリの短編集。 相変わらず異常だけど論理の筋は通っているロジック寄りの変なミステリの良質な部分を存分に摂取することができました。 なにせ今回もしょっぱなから飛ばしてきま…

同志少女よ、敵を撃て 雑感

1942年モスクワの農村がドイツ兵に襲われ虐殺された。唯一生き残った少女・セラフィマは助けにきた女性兵士によって狙撃兵として鍛えられ、女性のみの狙撃兵小隊に属し過酷な戦場を巡ることになる。彼女はかつてのドイツ兵へ復讐を遂げられるのか―― 女性スナ…

作りたい女と食べたい女 1-3 雑感

料理をするのが趣味で大量に作りたいけど消費するあてがなくてなかんか作れない野本さん。マンションの2つ隣の春日さんが大量に食べられるとひょんなことから知って、ご飯を作って食べさせるために声をかける―― という食事を扱った日常物の漫画。 題名通りの…

プロトコル・オブ・ヒューマニティ 雑感

ダンサー・護堂恒明は事故で右足を失いAI制御の義足となった。一般性から外れた彼は、人間のダンスとロボットのダンスの共存を目指して人間性をもたらす手続き<プロトコル>を探る舞台に立つことになる―― 長谷敏司氏によるSF長編小説。 人間の身体性をロボ…

パラノマサイト FILE23 本所七不思議 雑感

墨田区に江戸時代から伝わる怪談「本所七不思議」。その七不思議に隠された≪蘇りの秘術≫を求めて、墨田区に胸に一癖も二癖も抱えた面々が集う―― というホラーADV。スクエニからロープライスのDL専売で発売されました。 ぶっちゃけ怖がることが嫌いなのでホラ…

辺境の老騎士 1~5 雑感

<人民の騎士>バルト・ローエンは58歳にして長年仕えていた家を離れて旅に出る。それは長い長い晩年の旅路だった―― 老騎士の冒険譚である長編ファンタジー。 『狼は眠らない 1-8』を気に入ったのでデビュー作を読んでみたのですが、これまた素晴らしい作品…

ハクメイとミコチ 11 雑感

森の中に住む小人や獣・虫たちの何気ない日常を描くファンタジー漫画の第11弾。 さて、本作ですが現在続いている作品で5指に入るぐらい好きな存在にいつしかなっていました。 フェティッシュな快楽のツボをここまで力一杯押してくれるものなんて、そうはあり…

この復讐にギャルはいらない 1 雑感

元殺し屋の高校生・橿原くんとギャルの美少女・新宮さんとのラブコメ漫画。 元殺し屋ならではの突拍子もない勘違いと、美少女に弱い普通の男の子の反応とが入り混じった橿原くんのあたふたする様が描かれていきます。 (kindle no.19) 好意を示されてはこれ…

女の園の星 3 雑感

女子高を舞台とし教師の星先生を主人公に描くコメディの第3巻。 本シリーズの笑いの秀逸なところはローテンションなカオスのシチュエーションを作るのが上手過ぎる点にあると思っています。 1巻のつまらなくて意味不明な作中作とか、2巻で卒業アルバムの写真…

狼は眠らない 1-8 雑感

<黒穴>に飛び込んだ冒険者・レカンは異世界に辿り着いた。新たな剣と魔法の世界を己を鍛えて生き抜いていく―― 全8巻の長編ファンタジー。 無骨で殺伐とした冒険者を主人公とし、彼の冒険譚が綴られていきます。 設定はなろう系統によくあるファンタジーの…

裏世界ピクニック8 雑感

理解のできない恐怖をあおる異形と異常現象が跋扈する裏世界を女子2人組が探検する百合ホラーSFの第8巻。 過去の因縁にして脅威であった閏間冴月を祓い清算した後、鳥子は空魚に対して踏み込んだ――という出だし。 「私、空魚が好き」 「……知ってるよ」 「じ…

好きな子がめがねを忘れた10 雑感

小村くんが隣の座席の気になる女の子・三重さんが眼鏡をよく忘れるのをサポートしだしてとうとう10巻目。 眼鏡を忘れたドタバタの過程で仲良くなっていった少年と少女はようやくどうしたら忘れないかの根本的な対策を始めます。 え、今更という感じですが、…

わたし、二番目の彼女でいいから。5 雑感

桐島司郎は京都で一人、大学生生活を始めた。ぼろいアパートで生きているだけの灰色の生き方だったが、友達を得て次第に色づいていく―― そんなこんなで前の巻で破局的な三角関係の終焉を迎えた彼が大学生となった新章です。 おっかなびっくり読み始めたそこ…

漫画版『かがみの孤城』 1-5 雑感

7人の中学生は光る鏡を通って城に招かれた。狼の面をした少女はどんな願いも叶えられる部屋の鍵を1年間で探す権利を与えられたと彼らに告げる。ただし願いを叶えられるのはただ一人―― 『かがみの孤城』というタイトルには先日公開された映画で初めて出会いま…

隣のお姉さんが好き 1-2 雑感

中2の少年・佑は隣に住む高2の少女・心愛の元に映画を一緒に見るという口実で通い詰める。隣のお姉さんは何を考えているかわからないままに―― 『好きな子がめがねを忘れた』シリーズの作者による新シリーズ。中2男子が高2女子に熱を上げる年の差ラブコメです…

安達としまむら11 雑感

安達としまむらシリーズの最新作。8巻において掉尾としての海外旅行を書き、10巻においてしまむらが安達と2人暮らしをするために家を出る際の感慨の乏しさと未来への想いを記してきました。 そしてこの11巻では、しまむらがこれまで置いてきた人間関係を短編…

あかねさす柘榴の都 1,2 雑感

少年・夏樹は14歳にして母親を亡くし、スペインはグラナダに住む叔母に引き取られた。夏樹は母の故郷でもあるグラナダでの生活にゆっくりと慣れていく―― 本作は母を亡くした少年のグラナダでの生活を描いています。 最初は慣れた日本から異国で迷い込んだよ…

ifの世界線 改変歴史SFアンソロジー 雑感

日本人作者たちによる改変歴史SFアンソロジー。 石川宗生、宮内悠介、斜線堂有紀、小川一水、伴名練と並べるとどこの早川や創元なのですが、なんとも驚きの小説現代に載ってからの講談社タイガでの文庫化でした。出版社が偏らないのは多様性があっていいこと…

『スワロウテイル』シリーズ 雑感

感染すると若返り遂には死に至る〈種のアポトーシス〉が蔓延しつつある未来、日本では感染した男女は隔離されて東京人工島に住んでいた。人々は異性の代替として疑似生命〈人工妖精〉をパートナーとしていたが、人間を害さないように5原則が組み込まれている…

メカニカル バディ ユニバース 雑感

メカと人間のバディって燃えるよね――という要素を詰めに詰め込んだ漫画。 偽装スキンをつけたロボットの母親に育てられた子供が母子で組んで傭兵をしたり、自立型狙撃銃と合体して街の平和を守る少女だったり、『泣き女』と呼ばれる伝説のパイロットがかつて…