サイバーパンク: エッジランナーズ 雑感

 舞台は猥雑な未来都市ナイトシティ、平凡な少年のデイビット・マルティネスは名門アラサカ・アカデミーの生徒から一介の傭兵であるサイバーパンクへと落ちていく――

 Cyberpunk 2077を原作としたオリジナルストーリーのアニメーション。
 最近NETFLIX を契約したため視聴したのですが、や、評判以上にご機嫌で最高のサイバーパンクでした。
 少年・デイビットが日常のすべてを無くし、それでもなお底辺で得られた大事なものすら今度こそなにもかも失っていく人生の墜落の過程を10話で見事にまとめ上げていました。

 せいぜい伝説ってやつになりな
 ありきたりのな
   (8話)

 そう、本作はデイビットの伝説になります。
 本来なら出会うはずのなかった美しい少女とひょんなことから出会い、月と星を見上げて夢を語り合い、気の合う犯罪仲間と馬鹿をする――それはそれで少年の輝ける青春ではありました。
 ただその時間は長く続くわけない、というのが無味乾燥な現実/悲劇と裏切りとあっけない死による離別を極めて速いテンポで繰り広げられることで表現されています。安定した時間など望むべくもないとまざまざと見せつけるその1話1話の密度の高いサイクルは、それでもなお少年が少しでも抗った記録として目を離させません。
 残るものはなにか――エンディングでようやく息をつき、その喪失感と共に素晴らしい作品に出会えた喜びを強く感じたのでした。 
 

 なおアニメ単体でも十分傑作なのですが、ゲームとの関連も素晴らしいものがありました。
 ゲーム内で似た場所を歩き周って生きていたというデジャブはこれぞメディアミックスですし、濃厚な作品内世界を作りえたCyberpunk 2077ならではの感覚だったかと思います。


 以上。傑作。迷わずおすすめ。

  • Link

 OHP-サイバーパンク エッジランナーズ