火星に取り残された植物学者兼技術者がありとあらゆるものを利用し地球に生還しようとするSF。
知識と機知と反復した訓練により、失敗しながらも、暗くなりすぎずに逆境を乗り越えていく、極めて陽性のストーリー展開。テンポよく読めるし、爽快でした。
如何にして生還させるかに絞られているので物凄い読みやすい。火星での孤軍と、地球で複数人が精力を傾ける生還ミッションとのザッピングも上手い。地球から火星での行動を観測させる方法と、限られたコミュニケートから効率的で妥当な結論と行動に至る離れたテクノロジカルな合意のSFっぽさも好きです。
視野が狭いのは仕方ないし、新時代のホーガンかもしれないけど、どうでしょう。あと確かに「なろう系」との親和性とがバカ高い。SFのとばぐちとして良いかもしれません。
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