『WHITE ALBUM2 Twinkle Snow〜夢想〜』 感想

 2010年2月10日に開催された『LastStage2〜奇跡の始まり〜』で配布された小説が予告されていたようにDL出来るようになりました。pdf形式で148頁あります。イベントに行くかいくまいか悩むほど手に入れたかったので、早速読んでみました。
 全く前情報を入れてなかったこともありますが、最初の頁で何だろうと疑問が生じ、本格的に始まるにあたり混乱しました。


 何せ、春希とかずさが正式に付き合い、かずさと雪菜の2人が並んでジャガイモの皮を剥いているのです。時間軸は卒業間近、進学にも問題が――表面上はない時のこと。彼らが何をしているかを繰り返せば、恋に決着がつき、あの2人のヒロインが並んで家事をしているのです。しかもかずさがデレデレであり、真っ当にイチャイチャします。


 何故/疑問を取り敢えず棚上げにして読み進めていくと、幸いなことに割とすぐに胃がしくしくと音を立て始めます。

「ほんっと、純粋で、本気で……尊いって、思うよ」
「……あ、あ〜、あのさ。その、気を落とさずにね」
 (Twinkle Snow〜夢想〜、P33)

 キタキタキタとボルテージが上がる訳です。さあ、雪菜よ、暴れるが良い!とか。が、その興奮は一時の迷いのように溶けていきます。
 本編を鑑みてもぐちゃぐちゃは軽いもので、春希とかずさとのカレカノ関係が3人の関係で上位に置かれ、雪菜は仲間外れ恐怖症を克服し『大人』になったのです。それは一人の少女の胸の傷が癒えるのを待ちながら祝福すべきことであり、祝福は確かに存在しました。温泉、母との和解、初体験etc――全てがあまりにも幸せで。だから、物語が半分にも達していないことに気づきたくなかったですね。


 以降は想像した通り。本編と違う形で、本編と同じように雪菜は揺れていき、彼らの環境は変わり、どうしようもなく想いが強くなっていきます。
 たった一つ違うのは結論で――雪菜が耐えられたこと。本編では得られなかった、周囲の助けと、彼女の成長と、かずさとの友情とを携えて、春希が何を求め、かずさが何を持っていたのかを改めて理解をし、見えなかった先へと進んでいきます。

 もう雪菜には、遠い過去の出来事なのだから。
     (P121)

 ……いやあ、少しだけ歯車が違うとここまで変われたのだなと感慨深かったですね。耐えられなかった少女が耐え得た奇跡がここにある、と。


 だから、その先/末路は語るまでもなく。本編をプレイし、本ノベルを読んできた人だけがそれぞれの想いを持って結末を目にすべきでしょう。
 取り敢えず私が読み終えてしたのは、ええ、うわあというしかめっ面でした……


 以上。改めてWA2CCが待ち遠しくなりました。マダー?

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 WHITE ALBUM2 〜introductory chapter〜 感想 - ここにいないのは