Aster

  1. 感想

 このゲームのテーマは人身事故による人生の変移だと取りました。事故――特に死亡事故であるため、被害者と加害者だけの関係にとどまらず、被害者にも加害者にも家族がいて、恋人がいます。そして本人たちが主人公である人生は事故によって大きく変わっていきます。その中で、誰が支えとなるのか、支えると決断できるのか、喪失感にどう適応するのかが描かれています。
 具体的に言えば、まず恋人を失うまでの柚月沙耶ルートがあり、その後3つのシナリオに分かれます。前置きで主人公と敢えて述べたとおり、全て視点人物は異なります。3つのシナリオを見た後に、締めとなる柚月沙耶ルートの主人公の救済の物語へと進みます。この事故に関わった人物たちの描写される優劣付けは製作者が選んだというだけでしょう。
 ただし描写される事態には重みが感じられませんでした。加害者の家族への苛め、事件の原因となった苦悩はあまりにも容易く解決へと導かれます。一応、文章でごてごてと形容されるのですが、非常に浅い。そこを欠いたら重い題材を選んだ意味がありません。
 といっても、重々しく書かれても、そんなものを読みたいニードはそうはないでしょうし、何というか、セールスポイントが謎。


 以上が少し考えてみた感想です。端的に言ってしまえば、プレイしていてさっぱり楽しくありませんでした。

 留保点としてはキャラクタは悪くなく、特に生殖行動について無知な男キャラのエロシーンへの導入は爆笑でした。また既作のカラフルBOXと君と恋して結ばれてのキャラクタとリンクしているのも世界観を深めていて、続けていけば固定購買者に一役買うでしょう。
 
 P.S. 個人的には姫荻はるなルートが1年後ぐらいで笹岡がヒロだったりして、どろどろして欲しかった・・・・・・

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