エロゲ

見上げてごらん、夜空の星を 雑感

天文部員の主人公は天体観測しないことで有名だった。しかし他校と合同で天体望遠鏡を作るようになってから、物語は動き出す―― 本作は天体観測を主に扱った部活物エロゲです。過去作に当たる『この大空に、翼をひろげて』がグライダーでモーニンググローリー…

サクラノ詩 雑感

芸術家と芸術を扱い、創っていくことが生きることになった人間たちの人生を通して、どう生きるかの模索を描いている作品かなと思います。 目指すべき道筋はふとしたときに振り返って「素晴らしき日々――It's a Wonderful Life!」と気づくような行き方であり…

穢翼のユースティア 雑感

舞台は《ノーヴァス・アイテル》、聖女の力によって人の住めぬ大地から浮遊する都市。貧富の差が大きくなり、羽が生える羽化病が流行り、先が見えない箱庭が救世すると予言された<天使>を巡り変革していくのを描いたファンタジー。 作品が発表された際にこ…

星織ユメミライ 雑感

本作の構成の特徴はどのヒロインにおいてもSchool<学園編>とAfter<職業編>の二部に分かれていることにあるでしょう。Schoolで培った基盤を元にAfterで豊かになっていくという具合に、エロを増やすためではなく、コンセプトレベルで意味がある構成になっ…

ゆきこいめると 感想

総評 寒いのが苦手な主人公が雪国の学園に転校してきて、ふとしたことから冬を楽しむふゆ部に入部することになり、美少女たちとの騒がしい日常に巻き込まれていく―― という冬物のラブコメ。 雪合戦したり、雪の像を作ったり、かまくら作ったり、橇にのったり…

彼女のセイイキ 雑感

久々に会った幼馴染の少女は自分を忘れていた。しかしひょんなことから彼女の執事として送迎を強制されることになる――という感じに始まる、ヒロインを一人に絞った低価格ソフト。 シナリオはめまいがするほどがばがばでした。 なかひろシナリオは当たり外れ…

キミのとなりで恋してる! 雑感

本作のシナリオライタはおるごぅるではなく、おぅんごぅる。 これまでの作品の特徴としては胸焼けするイチャラブエロが多いことと、物語の根幹に妹が強く関わることと、スポーツ物としての厚みがあること、などが上げられるでしょうか。 本作でもそれらは思…

相州戦神館學園 八命陣 雑感

以下、愚痴。 大正十二年、九月一日 此処ニ我ラノ勝利ヲ誓ウ 柊 四四八 往々にしてというか、当然のようにというか、バトル物における戦闘では勝利を目指されます。そして勝利の先に目的や理想が待っています。逆に言えば目的や理想を叶えるためには勝たねば…

黄雷のガクトゥーン:シャイニングナイト 感想

結社から解放され平穏を得た海上学園都市マルセイユにとある観察者が忍び寄っていた。しかし気づく者は殆どおらず、皆それぞれの学園生活を送っていた―― 本編は去年の12月に発売された黄雷のガクトゥーンの約1年後を描いた続編になります。前作の主人公ニコ…

ハピメア 雑感

※ポエムでネタバレしていますので注意。 - 物語の始まりは子供3人が眠る部屋。家族ぐるみで旅行に行った先、兄妹と幼馴染みの3人が並んで眠っている。 妹と兄とが持病の夢遊病により扉を開けて森の中へと彷徨ってしまう。 帰ってきたのは、兄一人。妹は発見…

大図書館の羊飼い 雑感

前置き 最初に個人的なオーガスト作品の遍歴から。 私がオーガスト作品に触れたのは「はにはに」からなのですが、見事に大嵌まりしました。保奈美という才色兼備で料理上手、その上に体のラインが出る黒の上着がエロイという史上最高クラスの幼なじみにぞっ…

『キミへ贈る、ソラの花』 感想

初めに注意を。 以下の文章は容赦なくポエムですので、そこのところを考慮してお読みください。読まないのも手かもしれません。 - 季節は夏、受験生の主人公は街頭に冬服を着込み立っている少女を見つける。見つけられた彼女も、 【???】「見つけた!」 …

あえて無視するキミとの未来 雑感

諸手を挙げて面白いとは言い切れませんが、見所があったので短く適当に書いてみました。 内容は、未来視を持つ少年が放送部で学園祭に向けて美少女達と活動していく――という感じの青春部活物。 主人公は未来視のせいで未来が確定していると思ったり、両親が…

黄雷のガクトゥーン 雑感

初めに 時は20世紀初頭、海上学園都市マルセイユに史上初の転校生がやってきた。ニコラ・テスラ、72歳と名乗った彼は宣言する。 【テスラ】マルセイユ洋上学園都市10万の学生諸君。 運命に呪われたお前たち、全員。 ――私が、この手で、救ってやる。 そのため…

月に寄りそう乙女の作法 雑感

女装物として 公式ホームページを見れば判りますが、本作は美少年が女装しメイドとして女学院に通うという内容でして、ジャンルは所謂一つの女装物というやつです。 女装物は一定以上の市場があるらしく、エロゲでもそれなりの数の作品が出されています。主…

翠の海 雑感

主人公は記憶をなくして森の中で眼を覚ます。森を抜けたら湖があり、そこで少女と出会った。彼女は手を伸ばしながら、告げる。 いらっしゃい、私たちの楽園へようこそ。 そして深い森に建てられた洋館で同じように記憶をなくした少年少女たちとの共同生活が…

この大空に、翼をひろげて 雑感

グライダーでモーニンググローリー(参考)を目指す少年少女たちを描いています。具体的に言うなら、 【依瑠】「鳥が飛ぶ理由はわかりました。 黄金の時間もみつけました――つまり」 普通の人が吐くには気恥ずかしすぎるであろうそんな台詞を、臆面もなく先輩…

塵骸魔京 感想

導入 ミクロな視点から見れば、この物語は子供がブリキの樵に出会った時から、心臓が無い男の子のお話しとして始まったのでしょう。その子供は何故かいわゆる「行間」、「雰囲気」が判らず、どうしてコミュニケーションを取れるのか混乱していました。その頃…

いろとりどりのセカイ 雑感

【真紅】「お前の明日が、今日よりもずっと、楽しい事で溢れているようにと、祈ってるよ」 セカイは祈りで満ちています。幸せになる、という意志から発せられた祈りで。 本作の主人公・悠馬には自分以外からは見えないし会話も出来ない魔法使い・真紅が常に…

神聖にして侵すべからず 雑感

はじめに 猫庭という街には王国があった。名はファルケンスレーベン王国。在りし日を忍ばせる優雅な宮殿と庭。住人は3名、女王と宰相と騎士。現在の女王の代の始まりは惑う女の子を前にした男の子の言葉だった。 隼人「僕が騎士で召使いで大臣で床屋だ!」 …

紫影のソナーニル 感想

初めに 記憶を失って地下都市に落ち、紫色の最果てを目指すリリィ。 異常災害により300万人の消失と共に廃墟となり封鎖されたニューヨークを探索するエリシア。 交互に語られる二人の少女の旅路が行き着く先は何処か―― というような内容のスチームパンクシリ…

あかときっ! 感想

ジャンル名『脱がしっ娘魔砲バトルADV』で大体説明が出来ている――と言いたい所なのですが、残念ながら期待と少し違っていました。そして違っていたからこそ、楽しめた部分があります。 まずシステムについて軽く触れると、魔砲バトルはその名の通り魔砲に…

きっと、澄みわたる朝色よりも、 感想

前置 真に才ある学生を選別して芸術家を育成する夢見鳥学園に途中入学した主人公・崇笹丸はそこで幼馴染みたちと再会する。しかし強い絆で結ばれたと思っていた彼女たちは手紙をやりとりしていた与神ひよを除き、疎遠な態度を取る。笹丸は前向きにこれから再…

白光のヴァルーシア 感想

本作は壮大な世界観に基づいた長い長い歴史の中の一幕であり、機関化に侵食されつつある砂漠の都市における群像劇であり、少年が少女と出会うボーイ・ミーツ・ガールでもあります。 まず歴史物として。OHPを見れば一目瞭然ですが、セレナリア、インガノック…

Angel Ring 雑感

全体像 主人公・遠海悟はエロゲ好きでイケメンで空気よめないけど間違った行動はしない性格の学生です。昔何とはなしに彼女が出来たのですが、とある理由によって傷つき、恋愛に臆病になっています。そういう彼の周りには理解のある少女が揃っています。 エ…

マジスキ 由紀菜ルート読解・その1

マジスキ自体の感想は→マジスキ 感想 - ここにいないのは 。 この感想において由紀菜ルートを“今時珍しい、まともに捻られた嬉しくなるような時間SF”と述べたのですが、自分の中で情報が整理されていないまま何となくの理解でここまできていました。しかし今…

素晴らしき日々 雑感

感想 踏み込むと面倒そうなので、今回は簡単に行きます。 なお先に言っておきますと思い出補正ありで『終ノ空』が尖っていて素晴らしかったのに比べるとちょっと温くなっているかな、と考えていますのでご注意ください。

WHITE ALBUM2 〜introductory chapter〜 感想

前作が出たのは1998年5月1日のこと。それから12年後の2010年3月26日、2の序章である本作が発売されました。シナリオ容量は全体の2割程度と言われていて有料体験版とも揶揄されていますが、滅法面白い(その面白さに癖はありますが)ので躊躇っているなら購…

桜吹雪〜千年の恋をしました〜 感想

主人公・柊一成は意に沿わぬままセレブな花宮学園に入学した。その学園は枯れない桜に覆われ、かつて育てられ捨てられた名家を思い起こさせる居心地の悪い場所であり、なおかつ寄宿するようになってから奇妙な夢に惑うようになった。居心地の悪さを収めきれ…

airy[F]airy 感想

総論 土曜日がない世界で火曜日を守るために“Eremita”というカードゲームで妖精と勝負する“火曜の墓守”エルモ。養父にして前代の“火曜の墓守”アルマンドが失踪したことで、エルモはその責務も実際の教会の墓守もサンタリキアの復活祭で聖霊を集める役も受け…