事故で記憶を失った少女が記憶を取り戻そうとする話と、少年と双子の話が交互に語られます。
双子物の筋としてはよくあるのですが、ごてごてしくなく要を掴んだ文章で結ばれるビジョンが大変素晴らしい。
最初のシーンでは彼が見ていた『世界の終わり』の風景の描写され、最後に至って意味が判り、風景が内外揃い完成します。
そして、作品が完成した際に受ける喪失感で胸が締め付けられます。彼の失ったものの大きさが、彼のリアルタイムの心情を描写しないにも関わらず、或いはだからこそ読者に実感できました。
それにしても「あなたならもう、そうできるでしょう」という台詞の時の顔を知りたいですね。
以上。初読より、再読の方が評価が高いです。
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ワールズエンドガールフレンド (ガガガ文庫)
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