エロゲで使われる叙述トリック改

 エロゲで使われる叙述トリック ががっかりな内容なので簡単に書き直してみようかなと思い立ちました。厳密ではなく適当な解釈ですので、より詳しい事を知りたい場合は他の所を是非とも参考にしてください。間違った知識は直したいのでツッコミも歓迎です。

 まず叙述トリックとはなんぞやと言う話。ざっと検索して参考になりそうなリンクを羅列すると、
 叙述トリックとは - はてなキーワード
 叙述トリック概論
 トリック - Wikipedia
 あたりでしょうか。情報を抽出させていただくと。

 1.情報の送り手が受け手(読者)に対して仕掛けるトリックである。
 2.文章上の仕掛けによって読者を真相から“偽の真相”に誘導する真相の隠蔽とミスディレクションを実行する。
 3.叙述トリックを用いる際、虚偽の事柄を事実として書くことはアンフェアとして斥けられる。
 4.通常、叙述トリックは物語世界に影響を与えない。
 5.語り手の誤認や詐術が容認される一人称が用いられることが多い。また、手記という形をとる作例も少なくない。

 ということになるかと思います。

 まず叙述トリックが仕掛けられる対象に基づいて分けてみます。

 1.文章による叙述トリック
 2.絵による叙述トリック
 3.声・音楽による叙述トリック

 1は標準的な叙述トリック。トリックをかける対象として人物、時間、場所、心理etcがあります。一般的なのは語り手を誰か隠す、描写しないことで“人物を隠す”、構成を捻る事で“時系列を隠す”でしょうかね。
 2はエロゲにおいてリソース効率化が大きなウェートを占めている上では、あえて描写しないのか、削ったのかなどはいまいち判別しにくい面があるでしょう。背景も厳密なものは少ないですし、フェアに行うにはハードルが高い分野でしょう。
 3は自分で上げて置きながら想像しにくかったです。例も上げられませんし、取り敢えず載せておくだけにしておきます。

  • エロゲでの具体例

 1990年代後半〜2000年前半の古い作品に例が多数ありそうな予感がしているのですがプレイしていないので何分判りません。というか網羅するは不可能なので、私がプレイしたことがあるものを幾つか上げてみます。
 ただしその作品が叙述トリックを使っていると解ってしまった時点で面白さ激減なので格納とします。閲覧される場合は注意してください。










・連続>>>レイプ
 

連続>>>レイプ
連続>>>レイプ
posted with amazlet at 10.03.12
STELLAR (2007-03-23)
 今回一番紹介したかった作品です。『人格転移』というガジェットを使って全編に驚愕の叙述トリックを仕掛けています。しかも物語世界に影響を与えているという反則的な大仕掛けです。明かされた時に世界が一変して、青春物に回帰する発想と手腕は素晴らしいと言うしかありません。
 詳しい感想は→連続>>>レイプ 感想 - ここにいないのは




車輪の国、向日葵の少女
 

 説明不要ですね。独り言を言うのがおかしくないキャラと背景が不変な固定視点のADV形式とその世界独自の法律を引っくるめて成立させた一発ネタです。




・つくとり

つくとり
つくとり
posted with amazlet at 10.03.12
ru'f (2007-05-25)
 ま、一応。プレイされるなら「車輪の国、向日葵の少女」の後が良いんじゃないかなと思います。




あした出逢った少女
 あした出逢った少女 限定版
 変態的に過去と現在が行き来して翻弄されます。



水夏
 水夏A.S+ ~SUIKA~ 初回限定版
 ドグラ・マグラを潮流にアンフェアぎりぎりの超絶技巧が駆使されています。


G線上の魔王
 

 これまた説明不要かもしれませんが、一応。オーソドックスな手法が丁寧に使われています。判りやすいですが、絵と合わせて良い仕掛けだったと思います。




最果てのイマ
 

 バラバラな時系列のピースが優しく並べられなかった異形の傑作。隠そうと思って隠していない混乱さなのでぱっと見の爽快感は今ひとつですが、考え出すと止まりません。

  • まとめ

 以上。簡単ですがエロゲと叙述トリックについてまとめてみました。後の事はより詳しい人に託します。