こえでおしごと! 3 感想

 女子高生の主人公がエロゲ声優をやることになり、妄想だけで絶頂する特技を開花させて順調にステップしていくという内容。ステップアップの内容が同級生の男の前で演技させることで恥らいを増加させるとか羞恥系に進むのが特色です。
 本作ではメイドさんに扮して男の耳元で囁いたり、イベントで大勢の前で歌ったりします。そうした今までからは考えられなかった行動を恥ずかしながらも達成することで、主人公はエロゲ声優の糧とします。例えば、耳元でささやくことで勃起させたと知って満足気になったり、イベントでファンと直に触れ合うことでエロゲ声優としての充実感を得てモチベーションが上がったり、と職業成長物の真っ当な展開を地で行きます。妄想でイケる女子高生という奇策に職業成長物を重ねることで面白さが増しているように感じています。


 ただ今回強調したいのは会社の創設者の一員にしてシナリオライタである日置の恵まれっぷりです。女子高生にお兄さんと懐かれるだけでも許しがたいのに、強気で優しく面倒見の良い幼なじみ(主人公の姉ですが)を持ち、一緒に同人エロゲを作り、エロい台詞を言わせる――何と言う、多幸でしょうか。羨ましいとまでは言いませんが、あやかりたいものです。
 なお当然ながら日置は努力をしたからこそ今の位置にいます。彼は官能小説を少年時代から何作も書き、エロゲ会社でバイトし、幼なじみの生活を成り立たせる会社を作る計画を立て、実際幼なじみの多大な助けがありながらも成功させます。好きなものを好きと貫いた、その姿勢は眩いです。
 でもまあやっかむのですが。


 友人にバレる筋で本作は終わるので、次巻は新展開になりそう。今から発売を楽しみにしています。


 以上。それなりに面白かったです。 

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